きれいだと思えない物を徹底して引いていく。
引き算の美学。
そして、一度ゼロになったのなら、
自分の好きな物だけ、本当に必要と思う物だけ、
少しずつ足していく、
足し算の楽しみ。
 
そんな潔くもシンプルな空間が似合う、そんな物件。
見た目の派手さは無いですが、ジワジワ来ます…

こんな物件が街なかにあれば間違いなく小躍りしてしまいますが、
そんな訳も無くここは宇都宮でも北側に位置する宇都宮市上田原町。
 のどかな田園風景の中に佇んでいます。。

〈物件レポート〉
「潔い」
これが最初見たときの第一印象でした。
シャッターを開けると、ただ広い白いスペース。
奥にストックヤードや、休憩の小上がり6畳。
本当それだけ。

天井高は現在3m弱。
今の天井板を抜いてしまえば、さらに上がる事でしょう。
 
写真では荷物が写っているので、分かりにくいかもしれませんが、
本当ただただ、のどかな田園風景の中の白いハコって感じ。。
 
ちなみに嬉しい事に、この物件、
隣に駐車場スペースとしての土地も付いているので、
草を刈れば5~6台分位は車も止められます。 

使い方は、
一般的にはミセですかね。
しかミセと言っても。この地域までお客さんを呼ぶ実力が無ければ、
厳しいかもしれない。。
そんな事を思わせる位のエリアです。
逆にそれ位の魅力あるお店を創る実力がある方で、
この大きさ、賃料、立地に魅力を感じる人は是非。
賃料が魅力的なので、浮いた分を広告費に使うなんて事も出来ちゃいます。

はたまた何も無いからこその、改装自由だからこそ、
イエって使い方も、
ありかも知れません。。
 
現状何も無い空間。
そこに本当に必要な物だけ、自分が好きな物だけ、
少しずつ置いていく。
そうして出来上がる、嫌いな物がいっさい無い場所。
 
自分の個性に合わせて、四季の移ろいに合わせて、
少しずつ変化していく。
例えば、
春に
色づく青葉を見ながら、
壁をキャンパスに絵を描いてみて。
夏は
色濃くなる田園を見ながら、
床に畳を敷き詰めて端から端までゴロゴロして。
秋には、
床一面に落ち葉や稲わらを集めて、
アルプスの少女の様に自然のベッドを作る。
冬だったら、
たくさんの星が瞬く空を眺めながら、暗闇に漏れる
自分のイエの光を眺めて、幸せを噛みしめる。

ゆっくりと時間をかけて、手間をかけて、
自分が大好きな場所を作る。
それを可能にしてくれる、
器と空気がここにはあります。
(中村)